定額残業制のメリットデメリット

定額残業制とは?

残業代を一定額支払うことを確約した制度です。

残業代〇万円、残業〇時間分と決めておくことで、給料の支払額をある程度確定することができます。

しかしこの制度を取り入れている企業は多くありますが、すべての企業が適正に運用しているわけではないようです。

例えば定額残業代を支払っておけばこれ以上残業代を支払わなくてよいと勘違いしている事業主が多くいます。

メリットとデメリット

メリットとしては、上記にもありますが給料の支払額が確定することです。

労働者としても毎月最低〇万円入ってくると計算できるので安心して努められます。

また、残業をしてもしなくても給料が同じですので効率よく仕事をしてだらだら残業することが少なくなる傾向があります。

他には、求人の際に総支給額を多く提示できます。

基本給20万円とする企業と総支給額25万円(定額残業代含む)とする企業だと後者の方が給料の見栄えがいいです。

デメリットとしては、残業代を過大に支払ってしまう可能性があります。

企業の実情を把握し、入念な制度設計をする必要があります。

例えば、企業の残業が平均で10時間しかないのに定額残業で20時間分支払うとすると10時間分過大に支払うことになります。

他には、定額分の残業が義務であると労働者に誤解される可能性があります。

制度導入にあたって労働者に十分な説明をする必要があります。

導入にあたっての注意点

まず不利益変更に注意する必要があります。

今までの給料に上乗せで定額残業代をつける場合はいいのですが、今までの基本給の一部を固定残業代とする場合は基本給が減額されることになるので不利益変更となります。

この基本給を減額した場合は最低賃金を割らないようにすることも注意してください。

また労働者には説明会を開くなど制度をよく理解してもらい、制度導入でモチベーション低下とならないようにしましょう。

2022年09月14日