従業員の定着のためには?
従業員を雇ってもすぐに退職してしまう、そんな企業の悩みが最近よく耳に入ります。
なぜすぐに退職してしまうのか、また、企業に定着を図るためになにをするべきかをみていきましょう。
企業を取り巻く労働者の現状
出典:東京商工会議所「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」
この表は中小企業に人手不足の状況を聞き取りをした回答です。
人手不足と回答した企業は65%にも及んでおり、実に3社に2社は労働者不足といった状況です。
特に建設業(78.9%)、運輸業(77。3%)、介護・看護業(76.9%)などは80%に迫る深刻な人手不足です。です。
しかも、この数字は昨年度より増加しており、日本の少子化の現状を鑑みると下がる見込みはありません。
企業は採用に関して戦略的な対応をする必要があるということです。
つまり、採用の見込みが少ない現状として、現在の労働力を逃がさず定着させなくてはならないのです。
労働者の転職の現状
この表は前職と比べて1割以上賃金が上昇した転職者の割合を表したグラフです。
実に35%もの転職者が前職より1割以上も賃金が上昇しているということです。
グラフの折れ線はリーマンショックやコロナ禍の時期は少なくなっていますが、おおむね右肩上がりです。
若い転職者に限って言えばもっと多くの割合で賃金が上昇しているでしょう。
これを見てわかる通り、転職を積極的に行う方が労働者のメリットとなっています。
実際、若者の中では転職にマイナスイメージがなく、現状に満足していなければすぐに転職活動を行う動きがあります。
一昔前のように「1つの企業で最低3年は在籍する」という考え方はなくなっているのです。
企業に定着を図るため企業がすべきこと
企業が労働者の定着のためにすべきことはまず、多様な働き方を推進することです。
テレワークを導入することやフレックスタイム制の導入、選択的週休3日制を推進することで労働者の仕事と家庭の両立に対応できます。
子育てが、介護がと家庭の事情でしかたなく退職する労働者を手放すのはもったいないので、そういう労働者のニーズを拾えるような企業の制度充実を図りましょう。
次に賃上げです。
東証プライム企業では、2023年新卒入社の大卒初任給は225,686円でした。
当然その上の年代も給料を調整するので、賃金上昇させることも退職させないために必要な手段だといえます。
最後に労働者が成長を実感できる職場づくりです。
仕事が退屈、自信の成長が実感できない職場ですと労働者は転職を視野に入れます。
各労働者に目標を設け、成長を実感させ、上司が評価する制度がある企業は労働者が働き甲斐を感じ定着しています。
企業に余力があるうちに、少しずつでも労働者定着のための方策を実施し、労働力不足に備えましょう。