定額減税と給与計算
定額減税の対象者
定額減税とは、令和6年分の所得税と住民税について、所得の額にかかわらず一律に税額を減らす制度です。
政府は、新型コロナウイルスの影響で経済が打撃を受けた中、国民の所得を確保し、消費を喚起するためにこの制度を導入しました。
定額減税の対象となるのは、令和6年分の所得税の納税者である居住者で、合計所得金額が1,805万円以下である方です。
給与収入のみの方の場合は、給与収入が2,000万円以下である方が対象となります。
定額減税の額は、本人に30,000円、同一生計配偶者または扶養親族につき30,000円が所得税額から控除されます。
ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、その所得税額が限度となります。
住民税についても同様の控除が適用されます。
定額減税の実施方法は、所得の種類によって異なります。
給与所得者や公的年金受給者の場合は、令和6年6月から源泉徴収されるべき所得税等の額から特別控除の額が控除されます。
事業所得者や不動産所得者の場合は、原則として令和7年1月以降の確定申告の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
定額減税に関する詳細な情報は、国税庁のホームページやパンフレットをご覧ください。
定額減税の制度の趣旨や内容について、丁寧な周知広報を行っています。
給与計算における注意事項
給与計算においては、定額減税の影響を受ける点がいくつかあります。
まず、扶養控除等申告書の提出が必須となります。
扶養控除等申告書を提出していない会社では定額減税が実施されませんのでご注意ください。
また、合計所得金額が900万円超の人や15歳以下の扶養親族がいる人は、特別な申告書を提出する必要があります。
次に、給与明細や源泉徴収票には、定額減税の控除額や控除外額などの記載が必要となります。
給与明細には「定額減税額(所得税)」や「定額減税」などの表示がされる予定です。
源泉徴収票には「源泉徴収時所得税減税控除済額」や「非控除対象配偶者減税有」などの記載がされる予定です。
最後に、年末調整や確定申告においても、定額減税の控除額の確定や調整が必要となります。
年末調整では、本人の合計所得金額や配偶者・扶養親族の合計所得金額により、定額減税の控除額が決まります。
確定申告では、令和6年分で控除しきれなかった場合や、予定納税の対象となる方について、定額減税の控除額の調整が必要となります。