厚生年金保険の加入基準
会社の社会保険が適用になる基準は?
厚生年金保険は年金事務所で手続きしますが、すべての会社、人に強制的に適用されるわけではありません。
要件に該当した場合は会社の意思にかかわらず加入となり、強制適用事業所といいます。
①法人の事業主(事業主のみの場合も含む)
②常時5人以上雇用する個人事業主(農林水産業、サービス業などを除く)
のどちらかに該当した場合は強制適用となります。
これに該当しない場合でも自分の意思で加入することは可能です。
従業員の半分以上が加入することを同意した場合は任意適用事業所として加入することができます。
個々の従業員の加入基準は?
上記適用事業所で常時使用される70歳未満の労働者は加入となります。
年齢や国籍などは関係なく被保険者となるのです。
パートやアルバイトとして雇用される労働者も正社員の週または月の労働時間の4分の3以上労働する場合は加入が義務付けられています。
また、特定適用事業所である場合は
①週の所定労働時間数が20時間以上
②所定内賃金が月額88,000円以上
③2か月を超える雇用見込みがある
④学生でない
上記4つすべてに該当する場合は加入となります。
特定適用事業所とは1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が101人以上となることが見込まれる企業等のことです。
この基準は令和6年10月から総数が51人以上と引き下げられる予定です。
所定内賃金が月額88,000円とは?
報酬の考え方については厚生年金保険法第12条第5項ロに以下のように規程されています。
報酬(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四条第三項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く。)について、厚生労働省令で定めるところにより、第二十二条第一項の規定の例により算定した額が、八万八千円未満であること。
第22条第1項には以下のように規程されています。
第二十二条 実施機関は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次の各号に規定する額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。
一 月、週その他一定期間によつて報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の三十倍に相当する額
二 日、時間、出来高又は請負によつて報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前一月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額
三 前二号の規定によつて算定することが困難であるものについては、被保険者の資格を取得した月前一月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額
四 前三号の二以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、前三号の規定によつて算定した額の合算額
つまり月給はそのまま月に払われる額、週給など一定期間ずつ支払われるものは月給換算で88,000円以上の場合は加入となります。
日給、時給、出来高制の労働者は同じ仕事をする同僚の報酬の平均(加入の場合)となります。
また、所定内賃金となっているため、支払い額の確定していない残業代は含まれません。
