業務改善助成金の概要と流れ

職場内の最低賃金を引上げ、生産性向上に資する設備等を導入すると申請できる助成金です。

助成金額が最大600万円と魅力的な助成金ですが、助成金の取組の順序を間違うと不支給となってしまいます。

そこで、助成金の概要や順序とポイントを確認していきます。

業務改善助成金の概要

職場内の最低賃金を時給にして30円以上引上げ、生産性の上がる設備等を購入した場合、その設備等の購入費の一部を助成されます。

事業場内最低賃金の額に応じて助成率が変化します。

事業場内最低賃金が870円未満の場合は助成率が90%

870円以上920円未満の場合は助成率が80%(生産性要件を満たした場合は90%)

920円以上の場合は助成率が75%(生産性要件を満たした場合は80%)

となります。

また、最低賃金の引き上げ額と引き上げる労働者の人数に応じて30万円~600万円の助成上限額となります。

他には

・職場内最低賃金と地域別最低賃金の差が30円以内であること

・中小企業事業者であること

・一定期間解雇(退職勧奨も含む)がないこと

などが条件です。

業務改善助成金の流れ

①設備等の見積もりを2社以上からとる

2社から見積もりをとり、安い方の金額を基準に助成されます。

②助成金交付申請書を提出する

事業改善計画と賃金引上計画を記載した交付申請書を労働局に提出します。

対象労働者の人数や賃金をいくら引き上げるのか、またどの設備を購入し、どの様な生産性向上の効果があるのかなどを事前に報告します。

報告書提出以前にした設備の購入や賃金の引上げなどは助成の対象とはなりません。

③事業の実施

②で提出した業務改善計画に基づき賃金引上げや設備投資を行います。

設備投資等の購入は②の承認以降でないと助成金不支給となります。

賃金引上げは②の提出以降なら不支給とはなりませんが、助成金の万全を期すなら承認後をめどに行うのが良いでしょう。

おおむね②提出から1か月後くらいに承認となりますのでそれ以降の賃金引上げを計画するのがオススメです。

④事業実績報告書及び支給申請書を提出する

事業改善計画の実施結果と賃金引上げ状況を記載した事業実績報告書や支給申請書を都道府県労働局に提出します。

⑤助成金の支払い

④の書類をもとに支給の可否や支給額が決定され、助成金が支払われます。

⑥状況報告の提出

助成金支給後に状況報告をします。

賃金を引き上げてから6か月経過までに解雇、賃金引下げなどを行っていないか確認します。

 

以上となります。

助成金支給後の⑥は忘れがちなので注意してください。

生産性向上に資する設備投資等は機械の購入やレジのPOSシステムの導入などが認められています。

自動車は基本的には認められませんが、乗車定員7人以上のものや200万円以下の乗用自動車などはコロナ禍の影響を特に受けた事業者などは認められます。

2023年04月28日