不正受給の末路
助成金を不正受給をした場合
助成金を不正受給した場合、助成金申請が5年間できなくなります。
不正受給した助成金と延滞金、返還金を請求されます。
また社名、代表者名を公表されてしまいます。
特に悪質な場合は詐欺罪で告発されて1年6か月の懲役を判決されたケースもあります。
社会保険労務士が指南して不正受給した場合
今年1月に社会保険労務士が雇用調整助成金の不正受給をして逮捕されたニュースがありました。
不正受給を指南した社会保険労務士の逮捕はもちろん、企業の代表も逮捕されました。
合計約3000万円の不正と記事にはありますが、企業も連帯して返還する必要があります。
社労士が申請したといっても自分の企業です。
社長が責任を取らなければなりません。
労働局の調査の内情
上記の社会保険労務士は実は私がハローワークにいたおととしから要注意人物として連絡がきていました。
なぜ逮捕が遅れたかというと、1つには不正調査の人手が足りないというところがあります。
雇用調整助成金の量がコロナ特例で膨大なものとなっていました。
申請の数が通常と比べて多すぎるために確認が遅れたことがあります。
次に考えられるのが迅速な助成金の支給です。
迅速に助成金を給付し、企業を救済することが第一であったために不正などの確認を十分にできずに助成金を支給しました。
これは助成金を迅速に支給するとときの総理大臣が発言したために現場が振り回されたという側面があります。
そのため、助成金が落ち着いてきた今ようやく不正受給の捜査に手が回るようになってきたのが実情です。
もう一つあるのが慎重に事実確認をする必要があるという理由です。
なんとなく怪しいという理由で会社に押し入るわけにはいきません。
従業員からのタレコミの場合には、どこに出勤簿があるか、どの日について不正、改ざんがあるかなどの裏をとり、
実際の実地調査ではその確認をするだけにするほど脇を固めてから立ち入りするのです。
当然摘発には時間がかかります。
今後、ほかの要注意社労士や企業も摘発されていくものと予想されます。
同じ社労士として情けないですが、企業も付き合う社労士を選ばなければなりません。